素材データの管理。
映像制作の段階で、だんだんと収拾がつかなくなるものの1つではないかと思います。
プロジェクトファイルや映像素材がごちゃ混ぜだと、大事なときに紛失をまねく恐れがあります。では、どうすれば管理できるのか。
目次
そもそもの話。
映像制作のデータ管理はめっちゃ難しいしなかなか変えられないものなんですよ。ぶっちゃけ、Powerpointでスライドを作る事務作業なんかよりずっと難しいのではないでしょうか?
AfterEffectsでもPremiere ProでもAviutlでもこれは言えることですが、 まず原則としてプロジェクトファイルに映像素材が入らないんです。
動画編集ソフトで プロジェクトファイルに書き込まれるのは、 その素材のハードディスク上の場所、 そして素材の動かし方、重ね方、色くらいです。
つまり、 素材の場所をずらすと プロジェクトファイルが読めなくなるということ。
「映像のデータを整理しろ。 整理するんだ。」 とは言いますが、 それは同時に 過去のプロジェクトをダメにすることを意味します。
したがって映像制作でデータ整理をするときは、並々ならぬ覚悟と正確な配置方法が必要です。
中途半端な方法では後悔します。
今回は私がデータ整理を3回ほど経験した中で、 ベストともいえるフォルダ構成を公開します。
私的おすすめフォルダ構成
数あるフォルダ構成の中で、私がおすすめしたいのは「6つの大きなフォルダ」に分けるやりかたです。
もちろん、やり方には人によって向き不向きがあります。映像づくりのスタイルが、みんなバラバラだからです。
例えば、今回紹介する私の管理法は、図形も実写もまんべんなく扱う人に向いています。
けれど、どちらか片方に重点を置いている人は、ひょっとしたら違和感を覚えるかもしれません。
それでは、6つの大フォルダごとに解説しましょう。
「mv_project」プロジェクトフォルダ
名前の通り、編集ソフトに読ませるプロジェクトファイルの保存場所です。
初心者にはありがちですが、
プロジェクトファイルを素材と同居させておくと、あとで紛失につながることがあります。
そういう事故を避けるために、プロジェクトファイルを別居させるのが賢いやり方ではないでしょうか。
フォルダの中は、さらに日付と作品ごとに分けています。日付を先頭につけることで、新しいプロジェクトから順番に並べることができるんです。
作品ごとにフォルダを作っているのは、1つの動画が1つのプロジェクトファイルで成り立っているとは限らないからです。
たとえば映像学区のゆっくり実況、メインの編集はAviutl、音声はYMM4とソフトを使い分けているため、
プロジェクトファイルは、2つ以上存在しているんです。
ゆっくり実況のプロジェクトをグループにしておけば、
次回作を作りたいときにフォルダごとコピーして中身を変えるだけで済むので、めっちゃ幸せになれます。
「mv_camera」カメラフォルダ
映像学区の動画では、実写と図形を使い分けています。
そんなとき。カメラによる実写映像とアイコンなど図形データをごちゃごちゃにすると大変なことになります。
映像づくりでイライラしないために大事なのは、ほしいデータを、すぐに見つけ出せる環境です。
まずは実写映像だけをこの大フォルダに放り込みましょう。
「カメラフォルダ」では実写映像を3つの単位で分類します。その3つは、撮影日・撮影場所・撮影機材です。
撮影日をフォルダ名のアタマに書き込みましょう。
日にち順に並べることで、これから編集するべき新鮮なデータを探しやすくなります。
3つの基準が同じデータはだいたい同じSDカードに保存されているから、PCにデータを移す作業はそこまで苦ではありません。
もう1回いいますが、このカメラフォルダに実写映像以外のものは入れません。
「mv_music」 音楽フォルダ
極限的な挑戦をする動画クリエイターでもない限り、BGMは動画になくちゃいけない要素です。
Mp3などの音楽ファイルはだんだんと数が増えていくので、音楽以外のデータとは別居させるのが賢明でしょう。
使いたい曲のジャンルはばらばらでしょうから、音楽フォルダの中でどう分類するかは、残念ながらあなたの技量次第です。
「mv_data」 データフォルダ
ここには撮影した素材以外の細かい素材を入れています。名前があまりにも抽象的なため一番カオスになりやすいです。
常にカオスであることを理解したうえで、
あまりにも肥大化したフォルダが中にあれば、大フォルダに追い出しています。
中は素材の性質で分類しています。
モーショングラフィックスやボカロPVを作っている方で、細かい素材データのいい管理方法を知っていたら、
ぜひYoutubeのコメント欄へ書いてください。
「mv_precom」 プリコンポーズフォルダ
動画は決して1回のエンコードで完成するものとは限りません。
ソフトの切り替えなどを通じて3段階程度の制作→完成を繰り返してできています。
そんな場合に「動画制作用の動画」をいちいちデータフォルダに投げ込むと、データフォルダがカオスになりますよね?
完成作品ではない、途中段階の動画ファイルはここに入ります。
中は完成動画の数だけ分かれていて、
たとえばゆっくり実況であれば、Youtubeのサムネイル、ボイスだけのムービーなどがここに収まっています。
「mv_works」 完成作品フォルダ
ここには動画として完成したものが収まります。
YoutubeやTwitterへの投稿や、合作相手への納品ができる状態です。
このフォルダでは、いつも分け方に苦労しています。私の制作ジャンルが目まぐるしく変わるからです。
動画ジャンルで分類するとこの変化にうまく対応できないため、今は「20××年の○○」で分けることにしています。
こうすると制作時期で作品を呼び出すことができるため、定期的な制作動画まとめ「Reel」づくりには役立ちます。
まとめ
冒頭でも言った通り、紹介したフォルダ構成は人によって向き不向きがあります。
真似してくれたら嬉しいですが、人によっては面倒なことになるかも。
今回は、どうやって映像のデータ管理をするかというお話をしました。
さて。次回は何について話そうかしら……。