みなさんこんにちは、雪原てとらです。
普段は、動画解説実況シリーズ「映像学区」を連載しています。
消極的なチュートリアルです
動画編集がひとつのビジネスとして認知されて以来、動画チュートリアルが増えてきました。
彼らは「こうすると良くなるよ」と教えてくれることが多いですが、逆に「これはやめといたほうがいいんでは?」みたいなメッセージをくれることはあまりない。
でもこの消極的になる部分を知るのは、すごく大事なことではないかと思うわけです。
映像学区はうp主の過去の失敗を共有することを厭わない。キラキラなYouTuberではないからね。その点は惜しげなく情報を発信できるはずです。
そこで今回は「AviUtl初心者、別にやらなくてもよさそうなこと」について。
わざわざAviUtlとくくっていますが、これは何かAviUtlが特別だ、という話ではありません。PremiereだろうがResolveだろうが考え方は同じ。おんなじ動画作っているのに、違ったら怖いですよ。
それでは、どうぞ。
たぶんやらなくていいことリスト
60fpsがベース
映像学区シリーズの動画はどんな設定でしょうか。今画面の上で右クリックするなどして、統計詳細情報を見てみよう。
1920×1080の24fpsとあります。
一秒間に表示される枚数のことをフレームレートといいます。
単位は「Frame per Socond」。略してfpsです。
近年、とくに2015年あたりを境に多くのYouTuberが60fps収録へと移行しました。
それだけなめらかな絵になったということです。
これはカメラ機材のレベルアップによるものが大きいですが、じゃあすべてのコンテンツを60にすればいいのか。どうやらそういうことでもないようです。
映像作品を作るとき、映画の規格に合わせて24に設定することがあります。
24fps特有のブレ感が「エモーショナル」な絵作りをしてくれることがあるからです。60fpsの素材であっても、24fpsに変換した瞬間に化ける、なんてことは往々にしてあるものです。
これって不思議ですよね。
ふだんゲーム実況やYouTuberの60fps映像を見て、「自分もクリエイターになりたい」となる人は大勢いることでしょう。
ここで認識として60fpsがスタンダードになるケースがおおいのですが、それは正しいでしょうか。伝統的な映画規格をみると、ぶっちゃけ24出ていればまともに見えるのではないかと思うのです。
ド基礎のフレームレートとして24を覚えておく。
必要に応じてほしいときだけ60までもっていく。
こういったやり方がベストではないかなと。
いつもカラフル
揃える、余白をあけるなど、基本的なデザインを知らないうちは動画の初心者感を脱出できないものです。
※このデザインの原則についてはいくつか原稿を用意しているよ
基礎デザインを勉強すればなんとかなるのか、へぇ~
という視点にたどりつけばいいのですが、まぁさすがにだいたいの初心者はそうならないです。すると謎理論に到着しかねない。この謎理論の一つに、「色が足りないのでは」というものがあります
色はあくまで強調手段にすぎないので、注意が必要です。
2019年、20年あたりはミニマルデザイン(要素を極限までへらしていき、メッセージ性を高めるタイプのデザイン)が流行しました。
この流行で、モノクロ=(色という色を完全排除したデザイン)が増えた。お遊びではなくプロの世界でこういうデザインが流行った。
これはつまり、
「そんなにカラフルにしなくても良いデザインになれる。使い方を間違えれば、カラフルはメッセージを損なわせることさえある」
ということに言い換えられるのではないでしょうか(少々暴論ではありますが)
もし動画初心者でうまくいかず悩んでいるなら、最初に「色」というパラメーターを完全排除してみましょう。
代わりに配置のデザインを徹底すれば、なんの問題もなく、まともに仕上がるはずです。
小さすぎるディスプレイ(要検証)
登録者さんのだいたい1割半くらいは
Twitterをフォローしてくださっているようでうれしいです。
このデカいのか小さいのかよく分からない公式Twitterを使って
こういうアンケートを取ってみました。
なんでこんなアンケートをしたのか。
うp主は動画づくりのモニターが24インチになったとき、昔のノートパソコン(11インチ)の編集環境よりなんだかまともな映像ができるようになった気がしていました。
もしかして、
「適切なオブジェクトサイズ」に編集ディスプレイが関係しているのでは
と仮説を立て始めたのがこのころ。
一定のディスプレイサイズより小さい画面で編集すると、情報のバランスがおかしくなる(?)のではないかと思うのです。
「何言ってんだ」っていう人のために例を挙げると、Windowsで低解像度設定したようなアンバランスな画面になりやすくなるということです。
アンケートを眺めてみた感想としては、現代的なノートPCサイズ(およそ13インチ程度)があれば問題なさそうです。ただしアンケートのきき方的に、スマートフォン編集のみなさんが回答しなかったことを考えると、まだなんとも言えません(スマホ編集はもちろんダメではありませんが、どうもバランスが狂う例をよく見かけます)
最初の動画編集画面は大きいに越したことはなさそうです。
できれば最低限24インチくらいあると快適。
低いコントラスト
Cinematicの流行に中途半端に乗っかったうp主は、カラーグレーディングについてとんでもない過ちをおかしていました。初歩的なミスですが、案外誰がやってもおかしくないものです。
それが無意味にコントラストを低くすることです。
カジュアルなCinematic Vlogでは、log撮影という「意図的に眠い色で撮影し、そこから色を当てる」という手法でよく撮影されます。
ここで大切なのは、色を薄めるのがおしゃれではないということです。
logの素材自体はグレーディングを前提としているため、それをAviUtlのようなグレーディング非対応(スクリプト対応可?)のソフトで扱うのは無意味です。
たとえば、logで撮ってきた素材をAviUtlで読んで、色調補正しただけの動画を「おしゃれすげぇ」と言うのは間違いですよということです。あくまで眠い色から広いダイナミックレンジを引き出せるのが魅力なのです。