みなさんこんにちは、映像学区へようこそ。
このシリーズでは、映像やデザインについて発信しています。
映像学区の動画スタイルをみなさん気に入ってもらえて何よりです。しかしこのスタイル、みなさんが思っているよりも手を抜いた編集でうpしています。
ゆっくり実況を投稿するならば、最小限の時間で魅力的な画面作りをしたい。だから面倒くさいし時間がかかることはゆっくり実況からそぎ落とす努力をしています。
エフェクトやらモーションやらでしっかりした動きをつけるのは映像作品だけで結構。いやそもそもね、ゆっくり実況を週1ペースでうpするのに本気を出していたら死にます。
目次
- 人間無理なものはムリ。
- 映像学区の編集チェックポイント
- 編集ソフトを使い分ける
- ▽iPhoneにメモを取る
- ▽Wordで原稿を書く
- ▽ゆっくりムービーメーカー
- ▽AviUtl仕上げ編集
- ・動画のテンプレートがある
- ファイルの管理はこの動画を参考に。
- ・デザイン知識を手に入れる
- ・上下のクロップ
- クロップは、編集にとって好都合?
- 色選びの面でも良い選択…
- ・フェード
- 良い切れ目が存在しない例もまれにあるほどです。
- ・移動は最小限
- AviUtl講座をちらちらと覗き、移動について学んでいくとえげつない主張に出会ったりします。
- イージングを積極的に採用しないのは、編集が面倒くさくなるからです。
- もちろんイージングを否定する気はありませんよ。
- まとめ
人間無理なものはムリ。
今回はうp主がゆっくり実況を作るうえでどんなふうに効率を上げているか、お話したいと思います。それではどうぞ。
映像学区の編集チェックポイント
編集ソフトを使い分ける
ソフトウェアにはいろいろ種類があり、得意不得意があります。1つのソフトで完結できれば、そりゃあ速いですよ。たしかにスピーディーな編集はできるかもしれません。
でもソフトに不得意なことを無理やりやらせると、スピードあるいはクオリティのどちらかに破綻が生じます。それはまるでスマートフォンで3Dレンダリングをするようなものです。
映像学区ではこの考えから、ソフトを渡り歩いて1つの動画を作っています。
一見面倒にみえるかもしれないけれど、役割分担することで表現の幅は広がります。
一定のクオリティの動画を早いペースで出すには、このソフト渡り歩き方式が一番なのです。
▽iPhoneにメモを取る
うp主が動画のネタを思いつくのは電車の中、お散歩中、風呂上がりなどおおよそパソコンからは遠い場所です。
メモアプリに言葉を残しておきそれをもとに原稿を書き下ろします。
▽Wordで原稿を書く
霊夢に喋らせるソフト、ゆっくりムービーメーカーで1語ずつ打ち込むのは面倒です。
word原稿なしだと、打ち込みの途中でストーリーが崩壊していくおそれがあります。シナリオ組み直しは、それはもう時間の無駄です。
リスクをとるくらいだったら、小説家も使う文書編集ソフト、Wordで原稿を作ってそれをYMMにコピペしたほうが早いでしょうね。
▽ゆっくりムービーメーカー
ここで動画を完成することもできますが、あえてボイスと字幕だけを作ってこのあとの仕上げ編集は、AviUtlに委ねます。
ゆっくりムービーメーカーではAviUtlのスクリプトが使えないため、映像編集の自由度がわずかに落ちるのです。
▽AviUtl仕上げ編集
AviUtlのシーン機能を活用して本編、オープニング、シーンチェンジ、Twitter投稿用のプレビュー映像学区サムネ、そして解説用の参考資料を分けています。
これらを最終的に動画としてつなげます。
・動画のテンプレートがある
ゆっくり実況をシリーズにしたいみなさんは動画スタイルのテンプレートを作っておくといいでしょう。
これには大きなメリットがあります。
ゆ実シリーズに一貫性を持たせることができます。例えば一度良いOPトレーラーを作ってしまえば、あとは100回それを使っても問題はないわけです。
かっこいいOPを使いまわし、シーンチェンジを使いまわし、エンコード設定やフレームレートを使いまわし、サムネのスタイルまで使いまわす。
使いまわしといえば聞こえは悪いですが、それは動画シリーズの柱であるテーマを決定できるし、なにより効率的なアップロードに役立ちます。
ファイルの管理はこの動画を参考に。
・デザイン知識を手に入れる
映像学区では、繰り返し「デザイン知識をふやせ」と言っています。デザインを学ぶ理由は何でしょう?
普通の人は「かっこいい表現を勉強するため」と言うでしょう。まぁそれも間違ってはいません。間違ってはいない。
でもね、映像学区的にはですね?「デザイン勉強」にはもっと大きな動機があると思うんです。
動画投稿者のあなたがデザインを学ぶことで「時間効率」を手に入れることができます。
パッとしないテキスト、サムネ、配置に悩む動画投稿者は多い。その原因はデザイン知識を知らないことにあります。
そんなに難しいものではありませんよ?はるか昔、印刷機が発明されてからグラフィックデザインは研究されています。
今や算数と同じようにデザインは公式1つで「万人受け」を実現できる。
「フォントは何にしよう? 」
「おかしい、この配置も違和感・・・」
などなど悩み続けるのは時間のロスです。デザイン知識があれば一瞬で解決することばかり。
今はこのような「ド基礎のデザイン知識」を紹介する本もいっぱいあります。1週間くらいこれを眺めて「そろえる、わける」などなど、シンプルなたくさんの知識を身につけるべきです。
・上下のクロップ
テレビ番組や一般的なWEB上の動画は、2020年現在横幅16:縦幅9の画面をフルに使います。一方、多くの劇場映画では上下に黒い帯「クロップ」を入れたもっと横長の画面を使用しています。
映像学区シリーズでは、一般的なYouTubeの動画と異なりクロップを入れたスタイルを採用しています。なぜわざわざ狭い画を使うのか。もしかしたらこう思うかもしれません。「お前はCinematic Vloggerに毒されているだけだろ」みたいな感じにね?
まぁ毒されているのは事実ですが、理由もなくクロップを使うことはしません。思考停止でつくる動画に価値などない。
クロップは、編集にとって好都合?
動画の中に何もない部分があると、一気に素人っぽく見えてしまう。だったら画角を狭くしてでも動かせる領域、クリアランスを確保したほうがいろんなグラフィック素材を使うことができる。
自由度が上がってくれます。
色選びの面でも良い選択…
ゆっくり実況のテロップはたいていゆっくりムービーメーカーで色を固定しています。字幕の下にクロップがないと、背景によっては見えにくくなってしまいます。
背景との混同を防ぐため一般的なゆっくり実況では字幕をフチ取りします。ただ映像学区のようなしっとりした雰囲気や映像作品の高級感には必ずしも合うとは限りません。
・フェード
写真、文字、図形、そして動画素材。動画にははいろんなコンテンツが入っています。動画編集とはそれらを1つにまとめる作業です。
ふつう、これらコンテンツはぶつ切りで並べます。切れ目にいちいちトランジションをつけるのはうるさいからです。
ただ、映像学区の場合は別です。ほぼ全てのコンテンツをフェードでつないでいます。
コンテンツを並べるにあたって、BGMやゆっくりボイスの切れ目にタイミングをぴったりあわせる必要があります。でないと、違和感たっぷりの動画になるからです。
ところがそういう切れ目を探すのは、相当骨が折れる仕事です。曲のBPMが決まっている映像作品ならともかくそこにおしゃべりが乗っかる動画では、非常にタイミングがシビア。
良い切れ目が存在しない例もまれにあるほどです。
そこで映像学区では全編でフェードによる流れを作っています。切れ目に多少ズレがあっても、フェードでつなげば、違和感なく自然につないでくれるからです。
ゆったりできる雰囲気の動画づくりであれば、フェードトランジションは良い選択肢となりうるでしょう。
・移動は最小限
背景を静かに動かす…!
映像制作で心に留めておくべきは「ほどほどに作る」という言葉かもしれません。
いくら動画を作ったとしても全く動かなければスライドショーと同じ。時として「もうちょっと流れがほしいよね」ってなります。
一方で動きすぎる動画、演出に対して過剰な動きは、気持ちいいとはいえません。動きすぎは見ていて疲れる。ほどほどの動きでバランスするのがいい。
旅実況やらなんやらで「万人受け」する映像を作りたいあなたへ。まずはX、Y、拡大率をゆーっくり直線移動で動かすのをおすすめします。
これは古くからインタビュー映像など幅広いジャンルで使われているスライダーという動きに近いです。手軽に加えられるひと手間として映像学区でも積極的に採用しています。
AviUtl講座をちらちらと覗き、移動について学んでいくとえげつない主張に出会ったりします。
ゆっくり実況含めあらゆる動画に対して「すべての移動はベジエを使うべきだ」「直線移動はクソ」「動きのセンスがないといけない」などと。
(PV、MV、ほか映像作品だとまた話は変わるのかもしれませんけれど)少なくともゆ実うp主の視点に立った時、これらの主張はちょっと何言っているかよくわかりません。
なぜなら映像学区シリーズがこれと正反対のことをやっても文句を言われなかったからです。
映像学区はスタイリッシュかつ穏やかな点でまぁある程度支持を受けている自信はあります。Aeの人が参考にしてくれるくらいなので。つまり「悪くない」ってことですね。
でもね、でもね?
映像学区シリーズをよくご覧ください。ベジエ軌道は解説時以外一切使用していません。イージングはアクセントに12番を使用する程度です。
イージングを積極的に採用しないのは、編集が面倒くさくなるからです。
映像学区シリーズの編集程度を考えたとき、イージングやベジエ軌道の手間に見合う必要性をどうも感じることができません。
もちろん映像作品だったら別だけどね!!!
映像学区で「動き」と言えばほとんどが直線移動です。あのOPトレーラーすら直線移動がメインですよ。でもそれって「センス」っていうほど大仰なものでしょうか?
直線移動ってド基礎の移動でしたよね?今まで、ほぼすべての映像学区でグラフィックは直線移動で動いてもらってます。
時に「クソい」といわれる直線移動。でも、映像学区シリーズの移動についてはだれも文句言いません。今のところは。それどころか「落ち着く」って言ってくれます。
もちろんイージングを否定する気はありませんよ。
なぜその動きを採用するんですか? それは意味のある、必要なモーションですか? ってことを、一度考えてみてほしいんです。
「移動」については、初心者が変な方向に走り出すポイントです。アニメーションの根幹をなしているだけに「移動」はインパクトが大きいテーマ。
ここについて近く、ふたたび掘り下げましょう。
まとめ
今回は、いかにラクに良いゆっくり実況を仕上げるか、というお話をしました。
あなたは何を見せたくて動画を作っていますか? 何が伝えたい?これがはっきりしている動画ほど、見る側としては満足できます。
目的に合わない表現を面倒だと思ったのならそれは別にやらなくていいと思うんですよ。伝えたいメッセージには命を懸けて。それ以外のところはほどほどに映像制作しよう。
さて。 次回は何について話そうかしら…