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FUJIFILM X-T3は金欠オタクを救済する

筆者がカメラを選ぶための基準を紹介します。この基準は、「カメラ1台でムービーもスチルも」という願いがある初心者層~(ミドル)アマチュア層に向いているはずです。条件はいたってシンプルです。

  1. 動画も写真もポテンシャルありそう。
  2. 安い。
  3. 機動性高め

FUJIFILMのX-T3はこの3つをクリアした優秀なカメラです。

4K59.94p×10bit Log内部記録×JPEG写真の色

スチルカメラでひとつのハードルになってくるのが、4K60pの実現でした。4K撮影ができるとFullHDモニターで見てもその美しさに感動します。60fpsの映像を撮影すれば、あとでスローモーションをかけることができ、表現の幅が広がります。

X-T3がさらに面白いのは、4K60pの状態で4:2:0 10bitが内部記録できることです。これは「カラーグレーディングする際に耐性がある」というふうに思っておけばいいと思います。

HLGのプロファイルを使えばラクなカラー調整ができるほか、F-logでは本格的なカラーグレーディングに対応。逆にETERNAのようなフィルムシミュレーションを使えばグレーディングいらずの素晴らしい映像が本体から出てきます。スチルのJPGもフィルムシミュレーションによって良い色合いを叩き出します。

FUJIFILM X-T3は、現行フラグシップの座をX-T4に譲りました。そのためX-T3の中古価格は10万円を切るようになってきています。4K60pが10万円以下のミラーレスに載っているのは、にわかには信じがたいことです。

4K60pは比較的新しいミドル~ハイエンド一眼カメラに搭載される傾向があります。するとどうしてもカメラボディやレンズや値段が高くなりがちです。

ところがFUJIFILM Xシリーズではこの点を解決できます。APS-Cカメラだけで1マウントを形成しているので、「プロ仕様で快適だ」と感じられるレンズ設計も機能もAPS-Cレンズの価格でゲットできます。

そう、レンズが安い。ふつう20万は平気で持っていかれる純正フラッグシップレンズも、10万円台でゲットできるのです。XF50-140mmF2.8もその一例ですよね。すばらしい。

FUJIFILM Xマウントカメラの機動力

ここでお話しするのは単純なセンサー・レンズによる大きさ重さの問題ではありません。搭載された機能があればカメラ1台で旅に持っていけるか、撮り歩きに適しているか否かというような問題です。

まず、外部にモニターやSSDを付けなくても4K60p 10bitが撮影できます。

「ラン・アンド・ガン」といって、できるだけ小規模の機材セットでなるべく歩き回るのが好きなので、わざわざ外部の収録モニターを付けなくていいのは嬉しいポイント。

できるだけカメラにはSSDやリグ、ケーブルを付けたくありません。スチルカメラで動画を撮るメリットは「とにかく小さくすむ」ということに尽きるからです。

そして、AF(オートフォーカス)が満足に効きます。

動画界隈に愛されるBlack Magic Design、通称ブラマジのBMPCC4Kを選択肢に上げたこともあります。ボディもレンズも比較的安くRAW動画を撮影できるからです。

スタジオで三脚に据えてライティングを作りこんでRAW動画で撮影する、そういった用途であればBMPCC4Kが良いでしょう。でも旅に持ち出すならばBMPCC4Kではやはり無理が出てくると思いました。AF-Cが搭載されていないからです。シネマカメラは作りこむのには向いているけれども、速写性の面ではどうしてもビミョーになります。

FUJIFILMのミラーレスにはAFがついています。初期のXマウント機でAFをやらかしたようで、未だにそのイメージを引きずっていますが、今はたいていのシーンで十分使えるAF性能です。

動画AF-Cも問題なし。SONY機のなめらかなAFには及びませんが、アダプター付きのSIGMA 18-35mm F1.8でも工夫すれば動画AFを使えます。鉄道・スポーツのようなガチの動体撮影をしなければ、FUJIFILMのAFでも満足でしょう。